建築設計について
筋交の配置
阪神・淡路大震災の後、一戸建ての設計で一番変わったのは、筋交の配置かもしれません。もちろん、シックハウスだとかいろいろな法律が追加されましたけ
ど、 一番は筋交の配置ではないでしょうか。 筋交の配置とは何だと思われる方もいるかもしれませんが、まず筋交(すじかい)とは何かを説明します。
図1を見てください。

このように柱の間に×印のように木を入れますが、これが筋交というものです。横からの力に耐えられるようにしています。
例えばこの筋交を、平面的に、建物片方だけに筋交があるとすればどのようなことが起こるでしょうか(図2)。
右端が硬くて動きにくいのですから、いってみれば図2の点線のように建物が揺れます。 そうすると外側だけが極端に崩壊する可能性が高くなります。
それでは、筋交を半分左側に持っていきましょう(図3)。このように筋交を左右均等の並べると図の点線のように、
左右均等にゆれるようになり、あくまで感覚的ではありますが半分の揺れで収まるわけです。このように筋交の全体の量だけでなく左右の配置にまで気を配るよ
うになったわけです。つぎに、その筋交にどのような力が加わり、金物が必要になったかを見てみましょう。


金物について
木造の建築物は、筋交を入れた壁で地震力に対抗しようとします。その時の力の加わり方を見てください(図4)。左から地震が来て、なんとか筋交で対抗を
しますが、
左側の柱が上側に引き抜かれるのは感覚的にわかるでしょうか?そのため、柱が抜けないように図5のように金具で柱を基礎に緊結しておくのです。これがホー
ルダウン金物というものです。


壁には、このように筋交が入っているところもあれば、窓があるため入れられないところもあります。そのため柱1本1本についてそれぞれ引き抜
かれる力が異なるわけです。それを計算してその力に応じた金物を付けるということが必要になったわけです。図6に当事務所で計算した金物の図面を掲載しま
す。柱が四角で示されています。柱と柱の間に三角形があるのが筋交です。三角形が二つ重なっているのはタスキに掛けた筋交です。柱1本1本に(い)から
(ぬ)までが書いてあり、ホールダウン金物ではHD15
などと書いてあるのが分かると思います。15というのは力の単位で15kN(15キロニュートン=約1.5トン)です。 一般の方からするとこのような計
算よりも、間取りや、内装に興味があるかもしれませんが、建築士としては、このような
ことにまで配慮をして計算書を作成するのがやはり大切なことだと思っています。
現在当事務所では、筋交の壁配置および金物計算までして、この様な図面を提供しています。

図6 :柱の接合金物の種類
下の表は、接合金物の説明です。
