土地利用計画(相続対策を含めて) 

 


開発許可


 道路の定義のところでも述べましたが、土地の価値として一番大切なのは、建築基準法の道路に接しているかどうかです。ここでは、もう一歩踏み込んでどの ように計画するのが良いのかを考えてみます。
 相続の問題で、ある程度の資産をもっておられる方が、土地を売却して相続税を払わなければならない状況が生じたとします。その時土地の形が図1のような 形をしている場合について考えます。



 

















 自分の自宅が後ろにあるため、敷地延長の形で4mの幅を残して、前面の土地Aを売却したとします。その時は、後ろの部分が1区画なので、問題 ありません。また、"道路は4mあればいいんだ"という様なことを聞いていたので、それでいいだろうという判断をしてしまったとします。この時はそれで良 かったのかもしれません。ただ、その後ろBの土地も売却しなければならなくなったとします。その土地はもう2m幅の敷地延長を2区画分に分けることしかで きません(図2参照:図の20m以内は東京都の規制)。なぜなら奥の土地が500㎡(例えば三鷹市、調布市、府中市では)を超えていれば、開発許可を必要 とする広さとなり、最低限4.5mの幅が必要だからです(それ以上の場合もあります)。それではどのように売却をしておけば良かったのでしょうか。

 図3にその例を挙げてみます。このように、あらかじめ道路を入れておいてから売却することで、図4のように奥の土地を区画することができ、売 却しやすくなります。自分の財産の価値が守られるわけです。確かに、分筆して売却することは、その時は簡単です。開発許可の申請から、道路を造る工事まで の費用も多額にかかりますので、その時は、損をしたように思います。しかし、長い間のことを考えれば、道路を築造しておいた方が良いこともあるのです。私 がいつも思うのは、相続では非常に期間が短いので(亡くなってから10カ月)このようなことをじっくりと考える余裕もないでしょうから、簡単な方法を取ら ざるを得ないのかもしれません。しかし、一時借入をするもしくは、相続の前に十分な対策を練っておいて、あらかじめ、道路を入れておくことも非常に大切な ことだと考えています。



 
 



















皆で協力して道路位置指定を申請する


 道路位置指定を申請することで土地の価値が上がる場合も 多々あります。前に43条の協定のお話をしましたが、下図のように、4mの幅を取れる場合を考 えてみます。隅切り等のいろいろな条件が地域で多少変わることもありますが、概ね以下の図のような場合には、位置指定を皆で申請した方が良い場合が多いで す。ただ、原則、関係権利者全員の実印・印鑑証明が求められるので十分な説明が必要です。また、道路の構造として舗装や、L型側溝を両側に築造しなければ ならない場合もあり、多少の費用がかかります。ただ、道路位置指定をされると、廃止するにも全員の承諾が必要ですので、簡単に廃止できません。43条第2項第二号 の協定のよりも1段階上がった状態となり、前にも説明しました42条の道路になるわけです。




  

マンション用地


 前2例は、道路を造成しておいた方が良い例として挙げましたが、下図の様な土地をもっていたとします。道路に接する長さが十分に取れている場合です。こ のような土地を売却するときは、買う側がマンションを建てる場合もあります。その時には、道路を中に入れておく必要がないわけです。条件によっては、真ん 中に道路を入れていって、戸建の宅地分譲する場合もありますが、どちらにせよ、土地としましては様々な形態を取ることができますので、それほど気にしなく てもよいケースです。





 ご参考までに、以下に東京都の安全条例の条文と表を載せます。

 東京都安全条例第10条の3
特殊建築物(マンションなどはこれです)の敷地は、その用途に供する部分の床面積の合計に応じて、次の表に掲げる長さ以上の道路に接しなければな らない。ただし、建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支障がないと認める場合には、この限りでない。   



このように道路の接道長さに応じて、建てられる床面積が異なります。いかに、道路が安全性と結びついているのかが分かります。


私が伝えたいこと


 以上、極端な場合を例として挙げましたが、個々の土地に応じて、その利用形態が異なることを多少理解されたかと思います。もちろん、ひとくくりに言える わけではありません。ただ、私が今までの経験の中でこれだけは、お伝えしたいと思うのは、もう少し早く知っていれば出来たかもしれないというようなことに ならないようにして頂きたいということです。非常に大きな土地を持っているにも関わらず、みすみす損をしていただきたくありません。何かを、あおるつもり はありません。あわてて道路を造ることを推奨しているわけでもありません。せっかくの財産ですのでより価値を高める方向に向かっていただきたいと考えてい るだけです。もう少し早くこのようなことを知っていればということが無いようにという目的もあり、このホームページを立ち上げました。ですので、私に限っ たことではなく専門家の方に、とにかく相談をされ、またそのための知識として、このホームページを活用されたら幸いでございます。また、そのお手伝いを少 しでも出来ればと考えております。

 また、ここに出てきました例は、極端なこともありますので、個々の市区町村で多少、数値が違う場合もありますので、その点についてはご理解をいただきた く存じます。





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